水を引いた役人を祀る磯野さん
どんな伝承か
鯖江市下野田町の日吉神社の境内に小さな祠堂があり、俗に磯野さんと呼ばれている。この祠堂は、寛永年間にこの地方を支配していた西尾藩松平和泉守の役人、磯野助之烝をまつったものである。下野田村は毎年、旱魃に悩まされていた。磯野助之烝は、すでに組織されていた西尾藩領分の下氏家村・当田村・本保村・上氏家村と、福井藩領分の芝原村からなる五ヶ村用水組合から引水の便宜を与えられるよう、寛永八、九年の二か年にわたり各代官役人と折衝を重ね、その実現に努力した。その功績をたたえ後世に伝えるため、村民が相はかって建立したと伝えられる。
原典より
日吉神社の境内に小さな祠堂がある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。