泰澄の夢告に始まる三里山の薬師
どんな伝承か
養老元年、泰澄大師は三里山の霊地を選び、頂上に帝釈天、中腹に四天王を安置して小堂坊舎を建て、南麓には講堂を建てて薬師尊像を安置し、医王山帝釈寺と名づけた。越前の国に天災や飢きん、悪疫が続いた折、この三里山は国のほぼ中央にある霊地であるから諸仏をまつれ、との夢の告げを受けたのだという。寺は天正年間に織田信長の兵火で焼失し、慶長年間、鯖江市下新庄の奥出地籍に堂を建てて、残された薬師如来と諸仏を安置した。これが今の薬師堂の起こりで、縁日の五月八日は薬師初講と呼ばれ、近郷近在から参詣者が集まる。
原典より
養老元年(一五)泰澄大師が、ここ三里山の霊地をトして頂上には帝釈天を、中腹には四天王を安置して小堂坊舎を建て、その南ろくには、講堂を建てて薬師尊像を安置し、医王山帝釈寺と名づけた。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。