芋掘り権兵衛
どんな伝承か
ある長者の身代が傾き、三人の娘に金を分けて家を出させた。末娘は家を出る前に厠で米が一粒落ちているのを見つけ、もったいないと拾って押し戴き口に入れた。道で出会った坊様は、芋掘り権兵衛という家があったら無理にでも泊めてもらい、そこの息子と夫婦になれと教えた。やがて泊めてもらった貧しい家が芋掘り権兵衛だった。娘が小判を渡して米を買わせると、息子は背負いきれぬほどの米を持ち帰り、こんなものは山にいくらでも落ちていると言った。翌朝二人で山へ行くと小判が散らばっており、権兵衛の家はすっかり大金持ちになった。こぼれた米粒も粗末にするなという話である。
原典より
ある所に大金持の長者様がおったと。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史)
『鹿島町史 通史・民俗編――伝説』は、鹿島町の町史通史・民俗編のうち、昔話と伝説の節と、続く「俗信と俚諺」の冒頭を収めたものである。石動山麓と邑知地溝帯の集落で聞いた話を、芋掘り権兵衛や屁売りじいさなどの昔話、亀塚や椀貸穴などの自然伝説、初瀬の観音様や井田の不動滝の信仰伝説、久江の道閑や村境を決めた話の歴史伝説に分け、在所名を添えて載せる。伝承の状況や語り始めと結びを述べた解説を前に置く。