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万十郎家の座敷童子と炉の茸

所在地岩手県遠野市土淵町栃内
年代約六七十年前
登場佐々木媛子、奉公人たち、語り手
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

土淵村字栃内に、田尻の長者万十郎という家があった。所の旦那寺を三つ合わせたほど大きな家であったという。六七十年ほど前であろうか、或る時、座敷で何物かがひどく騒ぐ音がするのを奉公人たちが聞き、この家のザシキワラシもどこかへ出て行くなと言い合っていた。ところが間もなく火災に遭って焼け失せたという。火事の前までは七手綱の馬を常に使って浜歩きをさせていた。また家運の傾きかけた頃、奉公人たちは主人に逆らって大勢で炉の埋火をし、わざと消えるように水を注いだ。或る朝起きて見ると、炉の中に多くの茸が生えていたという。これも家の衰える兆であったろうと老人が話している。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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