落雷で棺から生まれた力持ち
どんな伝承か
和賀家の臣、小田島平右衛門が狩りに出て雨に遭った。樹の下で雨宿りをしていると落雷があり、そのために近くの新墓の棺が割れて、女の死骸から男の子が生まれ、産声をあげていた。平右衛門はその子を拾って育てた。子は力が強く、名を倍助とも倍太郎ともいい、のちに芦名内膳と称したという。原典では、殺された娘が幽霊となって子を育てる幽霊女房の話の類話として、和賀郡の伝えが掲げられている。出典は「民族」第一号。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。