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奥歯の骨を抜いた商人と千匹狼

所在地宮城県登米市迫町
年代伝承(口承)
登場商人、狼
出典日本伝説大系 第2巻

どんな伝承か

ある商人が志津川へ商いに出た帰り、米川を通ると、狼が河原に両手をついて大きな口を開けていた。よく見ると奥歯に大きな骨が引っ掛かっている。商人は恐ろしいのも忘れて骨を抜いてやった。四、五日たって再び米川を通ると、その狼が待っていて、袖を引いて沢へ下ろし、そこへ横になれと促す。言われたとおりに横たわると、狼は木の葉を集めて身体が見えないように掛け、その上に尻をついて「オシェヨーン」と鳴いた。すると狼の千匹連れが目の前をぞろぞろと通り過ぎ、商人は無事に助かったという。

原典より

むがす、むがす、あるあじんど(商人)が、すずがわ(本吉郡志津川町)さあじねェコ(商い)ねえったんだど。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。

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