姫を待った達谷の滝と悪路王
どんな伝承か
姫待が滝は達谷川の上流にあり、窟から東へ三町余り、高さは三丈余りの瀑布である。昔、葉室中納言の娘が悪路王ら賊徒に掠め取られた。父母がそれを聞いて密かに娘へ文を遣わすと、娘は謀をめぐらして賊を桜野へ誘い出して戯れ、酒を勧めて酔い倒れさせた。このとき、都から尋ねて来た迎えの者を滝の下に待たせておき、隙をうかがって迎えの者とともに逃れ出て、都へ帰ることができた。それゆえにこの名があるのだという。
原典より
<柳田―「姫待の滝」>達谷川の上流にあり 窟より東三町余高三丈余の瀑布也。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。