目を開けて盲いた庄屋弥右衛門
どんな伝承か
大木六に弥右衛門という庄屋がいた。狩を好み、奥山へ深く分け入って道に迷ったところ、はるか先に灯が見えた。訪ねてみると女が機を巻いており、言われるまま目をつぶって背に負われ、そのまま家まで送り届けられた。ところが道中、開けてはならないと戒められた目を開けてしまい、弥右衛門は盲いたという。巻機山という山名は、この怪しい美女が機を巻いていたことに由来すると語られる。またこの山では毎年七月二十二日に火渡り祭りが行われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。