刀傷から血を流した根古屋の観音
どんな伝承か
光圀にまつわる仏像の話は県内各地に伝わるが、内原町根古屋の観音もその一つである。ある晩、光圀の夢枕に観音が立ち、自分は根古屋の観音で、信じればどんな病も治すと告げた。気にかかった光圀が翌日その地を訪ねると、みすぼらしい堂に観音像が安置されていた。夢が本当かどうか確かめようと、光圀は刀を抜いて像の腕に切りつける。すると切り口から血が流れ出したので、光圀は驚いて詫び、傷口に包帯を巻いたという。そのためこの観音にはいまも包帯があると伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。