腕と引き換えに授かった骨つぎの法
どんな伝承か
新田郡藪塚本町藪塚の話。馬主が川端に馬をつないで野回りに出ているあいだ、河童が現れて馬を水へ引き込もうとした。驚いた馬は跳ねあがり、主人を残したまま家へ駆け戻る。その拍子に河童の腕が抜け、尻尾についたままだった。昼どき、十一、二歳ほどの男の子が泣きながら訪ねてきて、自分は河童だから腕を返してほしいと頼む。どうやって継ぐのかと問うと骨つぎの法を知っていると答えたので、主人は腕と引き換えにその術を授かり、骨つぎ医者になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。