館林城の外堀で斬られた身代わりのヨシ
どんな伝承か
天正十八年五月、豊臣秀吉の命で石田三成と長束正家が館林城を攻めた。外堀近くまで押し寄せる大軍に城兵は追い詰められていく。ところが攻め手が踏み込んでみると、外堀には数え切れぬほどの城兵が立っていた。寄せ手はなだれこんで斬りかかったが、泥が深く思うように動けない。そこを城兵に攻められて追い払われた。堀に立っていたのは人ではなく生い茂るヨシで、このとき斬り払われたために、以来この堀のヨシはみな片葉になったのだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。