栖松寺の灯籠に刻まれた黄金
どんな伝承か
湯沢の栖松寺の境内には庚申様の堂があり、その中に立つ灯籠の棹石に文字が刻まれている。棹石には「朝日さす 夕日かがやく 明きの方」とあり、続けて「黄金千杯 漆千杯朱が千杯、この寺大廃に終る時は掘って使ふべし」と読める。朝日と夕日の差す明るい方角に黄金と漆と朱が千杯ずつ埋まっており、寺がすっかり衰えたときには掘り出して用いよという意味で、寺の行く末に備えた埋蔵の伝えとして語り継がれてきた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。