檻に囲われた吼木桜の古株
どんな伝承か
能登遊記は吼木山に遊んだ記として、ここは僧空海の草創の地だと記す。山道を一里ばかり行くと古い松があり、俗に袈裟懸松と呼ぶ。さらに二町余り進むと甚だ古い桜があり、俗に下馬桜という。昔、参詣の人が乗り物を降りた所である。山上には吼木桜があって檻で囲われている。伝えでは、空海がこの樹を鋸で挽いて板とし、法華経を書いたといい、今も寺の蔵にあるという。樹は年代を経て朽ち折れ、根幹が二丈ほど残るだけだが、木目は曲がりくねって朽ちも砕けもせず、生気がひそんでいてまだ枯れ落ちないと記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。