元日十時まで雑煮を食べぬ村
どんな伝承か
小黒丸城が新田義貞に攻められたのは、大晦日の晩から元日にかけてのことだった。村じゅうが大騒ぎで、雑煮を祝うどころではなかったという。そのため、この村では元日の雑煮を午前十時過ぎまで口にしない習わしが続いている。掟を破った家は衰えて他所へ移って行ったと語られ、ただし他の村で食べる分には差し支えないとされる。また、元日に白い餅を煮ると、鉤縄の上へ白蛇が下りてくるとも言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。