石の櫃で指を食われた母
どんな伝承か
美しい娘が二人、同じときに死んでしまった。親は不憫がって二人に金を持たせ、墓石の底に納めて葬った。すると毎朝、菓子屋へ銭を三文持って買いに来る者がある。娘たちの姿を見たいと思った母親は、石の櫃の中へ入り込み、指を一本さし出してみた。すると娘たちは、これは娑婆の母親の匂いがすると言って、その指を食い切ってしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。