弁慶網と高塚の富士権現社
どんな伝承か
源義経が水橋の四郎左衛門に送られて奥州へ向かったが、暴風雨に遭って舟は二日も海上を漂い、滑川市高塚の海岸に流れ着いたという。一行は漁夫たちの網引きの勇壮な姿に惹かれ、弁慶らも曳き網を手伝ったことから漁夫と打ち解け、二、三日この地に泊まった。命が助かったのは浜辺に祀られた富士権現社の加護だとして参拝し、心身を休めたのち、舟を用意してもらって越後へ旅立った。漁夫たちは道中の無事を祈って見送ったと伝え、この村の富士社の制札は義経が立てたものだといわれる。弁慶網の名はここから来ている。
原典より
源義経について滑川市高塚では弁慶網がよくしられている。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。