盲を開いた仙人常陸坊海尊
どんな伝承か
天和二年の頃、この近くに久作という評判の正直者がいた。眼病で両眼を失明し暮らしも立たなくなっていると、白髪の老人が現れ、丑の刻に身を浄めて天を拝めと教えた。その夜、天を拝すると星が見え、三十余日で全快した。再び現れた老人は、自分は義経の家来の常陸坊海尊で今は清悦と名を改め、大日の岩屋に棲むと語り、日月星を念じているのでこれからは岩戸三光宮と呼べと言って岩屋に入った。海尊は時おり青麻の山中へ焚木を取りに出て、桑の箸を教えて中風を治したといい、社では今も中風よけの桑の箸を出している。
原典より
この近くに久作といって評判の正直者があった。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。