亡き照子と英一を招いた二日間
どんな伝承か
ボート部遭難者の招霊の翌日、土井晩翠夫妻は同じ霊媒小林寿子を通じて、病で相次いで失った長女照子と長男英一の霊を呼び出した。夫妻は感激のあまり一晩眠れないほど興奮したという。それまで招霊を疑っていた八枝夫人は、出て来た霊は自分たちの愛する娘と息子に少しも相違なかったと語り、二児が霊界に生きていると知ったときの驚喜を「自分達夫婦の魂の復活」と回想した。立ち会った浅野和三郎も、招霊は二十六日と二十七日の二回行われ、二人ともよく現れて両親を満足させたと記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・矢原秀人・2006年(平成18年))
『あの世はあった――文豪たちは見た!ふるえた!』は、三浦正雄と矢原秀人が二〇〇六年に著した、近代日本の作家や知識人の霊体験を紹介する読み物である。熱海の旅館で遠藤周作と三浦朱門が同時に遭った幽霊、佐藤愛子の心霊現象、菊池寛・宮沢賢治・小泉八雲・土井晩翠・新渡戸稲造・南方熊楠らの体験、夏目漱石の臨死体験を、本人や周囲の文章を引いて語る。一人一章の全十二章にまえがき・あとがきを添え、巻末に霊媒クランドン夫人の実験記録を付録として収める。