五十歳で始まった三十年の心霊現象
どんな伝承か
作家佐藤愛子は五十歳のときに突然の超常現象に見舞われ、それが三十年も続いているという。発端は浦河の人里離れた土地に建てた別荘で、そこは日本人に滅ぼされたアイヌの集落の跡であり、成仏できない霊が地縛霊となって残っていると言われた。以後、別荘だけでなく旅先のホテルや東京の自宅でも、夜通し鳴り続ける鋭いラップ音や電灯の明滅に悩まされるようになる。死ねば無に帰すと信じていた現実主義者は、人はみな霊媒体質でありうると考えを改め、霊界の言葉を伝える側へ回っていった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・矢原秀人・2006年(平成18年))
『あの世はあった――文豪たちは見た!ふるえた!』は、三浦正雄と矢原秀人が二〇〇六年に著した、近代日本の作家や知識人の霊体験を紹介する読み物である。熱海の旅館で遠藤周作と三浦朱門が同時に遭った幽霊、佐藤愛子の心霊現象、菊池寛・宮沢賢治・小泉八雲・土井晩翠・新渡戸稲造・南方熊楠らの体験、夏目漱石の臨死体験を、本人や周囲の文章を引いて語る。一人一章の全十二章にまえがき・あとがきを添え、巻末に霊媒クランドン夫人の実験記録を付録として収める。