七色の難題を解いた常陸小萩
どんな伝承か
照手姫は小栗判官を尋ねて諸国を流浪するうち、人買いにさらわれて美濃国青墓の長者へ売り渡され、常陸小萩と名を変えて仕えた。遊女の勤めに立とうとしないので長者は腹を立て、六か所の竈の火を絶やさず焚け、十八町先の清水から水を七桶汲んで来い、できぬなら遊女になれと難題を課す。さらに銭七文で七色の品を買って来い、一つでも違えば遊女になれと言う。姫は銭を受け取り、とうなんは春先のつくし、せいなんは芹、うごもりは山の芋、かごもりは野老、かいらうは海老、いちぢはひともじ、闇夜のつれ男はごまめだろうと次々に言い当てた。長者は由緒ある者と見て、十六人の水仕女を元に戻し、姫を敬って仕えさせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。