胞衣のまま生まれた行基と家原寺
どんな伝承か
堺市家原寺町の家原寺は、行基菩薩が生まれた地に開かれた寺だと伝える。行基の母は蜂田首虎身の娘で薬師女といった。行基は胞衣に包まれたまま生まれたため、母が忌み嫌って瓦の器に入れ、家の西の榎の枝に懸けておいたところ、たまたま通りかかった役小角が怪しんで取り下ろし、智恵を授けて人として誕生させたという。その地は家原と呼ばれ誕生塚がある。一説には南河内の老原・追原とも書き、行基が和泉へ去ったのちに残った地名だとする。今も智恵の文殊として、入学前の子の守護神に崇められている。
原典より
家原寺は、天智天皇の御宇七年に高志氏百済の裔、天仁行基菩薩の誕生地として僧行基の開山となっている。—— 日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。