擂粉木の形に垂れる菩提寺の銀杏
どんな伝承か
『作陽誌』は、菩提寺の境内にある擂木銀杏について記す。またとない大木で、源空上人が幼いころ杖を逆さに挿したものだといい、枝葉が四方へ氷柱のように垂れ下がって擂粉木のような形をなす。長じた根は土に下りてさらに幹を生じ、別の木のようになるという。津山から六里十一町の道のりとする。同書は豊福鶴巣の『現の夢』を引き、この銀杏の根元の空洞に蜂が巣を作ったのを、高円村の市介と岩吉という者が斧で切り開いて取ったところ、気分が悪くなり、背に蜂の巣のような穴があき、誕生寺の法然上人を知らないのかとうわ言を言って死んだ、享保年間のことだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。