呪で飛ばされた全間山の護法石
どんな伝承か
『作陽誌』は護法石の由来を記す。甜山の僧たちが護法の行と祈呪の法を修めたが成らずにいたところ、一人の旅の僧が通りかかり、行の熟した者は木や石にも呪をかけて霊験を示すと言った。腹を立てた僧たちが、それならこの石に呪をかけてみよと大石を指すと、旅僧はためらわずに石へ向かって叱した。石はたちまち跳ね上がり、数珠で打つと空へ舞い上がって数里を飛び、全間山に落ちたという。僧たちのなかの荒くれ者がその術を妬んで旅僧を圧し殺したところ、霊が祟って怪異が続いたので、祠を建てて祀ると鎮まった。石の落ちた所を荒谷と呼び、石を護法石と名づけたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。