大山参りを許さぬ鷲峰の神
どんな伝承か
『勝見名跡誌』が里人の話として記す。当社の大明神と大山の智明権現は仲が悪いため、鷲峰の氏子は昔から伯耆の大山へ参詣することができなかった。どうしても参りたい者は、まず御神前に出て大山を見物に行きたいと告げてから登れば障りがないが、黙って隠れて参詣した者は、帰り着かぬうちに必ず神罰を蒙ったという。また毎年四月二十四日の大山の会式には牛馬の市が立ち、近国から買い手が集まったが、当所の者が買って帰ると必ず途中で牛馬が斃れた。神の咎めと知られてから、大山の牧で牛馬を買う者はいなくなったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。