節分の夜に鳴く鶏山の金の鶏
どんな伝承か
高草郡の吉岡の奥、洞谷という所に尾木原山の城があり、尾木原氏が代々住んでいた。天正のころ羽柴秀吉に攻められて落城し、一族は八頭郡河原へ逃れて百姓になったという。今の萩原氏がその末である。落城の際、城中の財宝は鶏山に埋められたと伝え、朝日夕日の照るけやきの下に漆と朱が千杯ずつ、黄金の縄が千束、金の鶏の雌雄が眠ると歌に唄われてきた。この鶏は年にただ一度、節分の晩に穴から出て鳴き、その声を聞いた者はたいそうな長者になると言い伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。