遍路が杖で開けた炭焼き竈の穴
どんな伝承か
南宇和郡一本松町上満倉の伝え。この土地は昔から炭焼きの盛んな所であった。ある炭焼きが竈の火がどうしても燃えないのに困り、よく通りかかるお遍路さんに相談した。そのお遍路さんは実はお大師さんで、火が燃えないのは穴が悪いからだと教え、竈の後ろへ回って杖を突き込んだ。すると竈は下からずっと燃え上がり、上手に炭が焼けるようになったと語られる。
原典より
昔から炭焼きをここでようするとこでな。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。