国分へ帰りたいと鳴った汗流しの鐘
どんな伝承か
国分寺の鐘は海中から引き上げられたもので、村人は竜宮から供養に上がったものだろうと考え、寺へ奉献したという。毎年きびしい暑さの頃になると鐘に水滴が浮くため、汗流しの鐘とも呼ばれる。慶長年間、高松藩主の生駒一正がその音色を愛で、鐘を高松へ運ばせた。人夫五十人が三日がかりの大仕事だったが、音は不快で国分へ帰りたいと聞こえ、城下にも流行があったため元の寺へ返された。帰りは人夫八人が半日で運んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。