大日如来が大蛇を封じた長福寺
どんな伝承か
遍照寺は昔、長福寺と呼ばれていた。元禄十四年の夏、村に大蛇が現れて村内を横行し、人や家畜に害を加えた。村人が総出で退治しようとしても追い払えなかったが、長福寺の大日如来が霊験によって大蛇を地中に封じ込めた。そのとき山河が鳴動して山崩れが起き、村人は蛇の霊を慰めるため崩れた山の中腹に蛇崩観音の祠を建てた。今に伝わる蛇骨は寛政九年に村人が蛇崩の場所から掘り出したもので、七日市の蛇宮神社に納められ市の天然記念物になっている。似た化石を持つ村人もおり、骨を削って粉にして飲むと中風にかからず熱冷ましになるといわれ、削られて当初の三分の一ほどになったものもあるという。
原典より
元禄十四年の夏、村に大蛇があらわれて村内を横行し、村民、家畜に危害を加えていた。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。