継子を流した祟りを鎮める若宮様の祭
どんな伝承か
田篠の斉藤一族は毎年三月十五日に若宮様を祀る行事を続けており、戦時中や戦後の混乱期にも、さつまいもで餡の代わりを作ってまで欠かさなかった。祭りをやめると一族に祟りが起こると言い伝えられているためである。昔、斉藤の本家に継子がおり、みじめに扱ったうえ、ある日川へ流してしまった。その後一族に次々と祟りが起きたので寄り集まって供養したところ祟りが止み、以来毎年供養するようになったという。後年、関東一と言われる田中という祈祷師が若宮様の前で二時間ほど呪文を唱えて霊を呼び出したところ、祀られているのは五百年ほど前の九十歳ほどの老婆だと、伝承とは違う答えを語ったという。
原典より
田篠の斉藤マケでは毎年三月一五日に若宮様をまつる行事をしている。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。