声と目を取り替えたみみずと蛇
どんな伝承か
群馬県富岡市に伝わる蛇の由来譚。昔、蛇はきれいな声を持ち毎晩上手に歌をうたっていたが、目がなく何も見ることができなかった。一方みみずは何でもよく見える丸い目を持っていたが、声を持たず何もしゃべれなかった。互いの境遇をうらやましく思った二匹は相談し、蛇はきれいな声をみみずに与え、みみずはよく見える丸い目を蛇に与えた。それ以来みみずは声はよいが目が見えず地中に潜り、蛇はよく見える目で陸でも水でも地中でも自在に動けるようになったという。
原典より
昔々、大昔、蛇は、とってもきれいにすんだいい声を持っていて、毎晩うたを上手にうたっていました。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。