預けると疫病が出た宇田の津島様
どんな伝承か
宇田の津島様は京都あたりから持ってきた神だと語り伝えられ、箱宮に納めて各家を順に回す回覧式で祀られている。預かる期間は一週間ほどの家もあれば、一、二か月も床の間に飾って供え物をする家もあった。箱宮には津島牛頭王という神体と、天照大神から連なる神々の系統を畳一枚ほどの紙に書いたものが納められ、貫前神社もそのずっと下の方に記されている。回すのが面倒だと一時貫前神社に預けたところ、その年に限って疫病が流行し、預けたせいではないかと考えて神社から返してもらい、以来もとどおり中宇田の十八軒で回して今も信仰している。
原典より
子どもの頃聞いた話では、この津島様は、京都あたりから持って来たということで、この神様は、箱宮に納めてあり、それを各家庭に回覧式に持ってまわす。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。