中の川の池を追われた蛇の娘
どんな伝承か
高岡郡梼原村の類話。二重枡と二重秤を使っていた高知の商人の娘は、水を欲しがる蛇の性ゆえに家を出された。宮野々のある家に宿を乞い、蒸し桶を借りて泊まり、一週間は蓋を開けるなと言ったが、五日目に開けると鱗が小判になりかけており、その家はまもなく落ちぶれた。娘は中の川の池に入って主になった。母が訪ねて来たときは一度だけ娘の姿を見せ、以後は蛇体でしか現れなかった。中越四郎左衛門という刀鍛冶がこの池に金物を投げ入れて蛇を追い出したので空池となり、蛇は大野ヶ原の小松池に移ったといい、刀鍛冶はまもなく死んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。