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大蛇を寸断した無数の蟹と蟹山権現

所在地千葉県君津市西日笠(長久寺)
年代伝承(口承)
登場延命長者、地蔵を信じ蟹を愛した長者
出典日本伝説大系 第5巻

どんな伝承か

長久寺は清和村西日笠にある真言宗智山派の末寺で、長久年間の創建と伝えられる。昔この地に延命長者と呼ばれる温厚な人がいて、その一人娘も慈悲深く、子どもが捕らえた蟹を買い取っては淵へ逃がしてやっていた。ある日、長者は娘を連れて鹿野山へ参る途中、雉を巻き殺そうとする蛇に出会い、思わず娘をやるから離せと口走る。年月がたち、美しい少年が現れて娘を嫁にと迫った。断ると少年は大蛇となって塔に巻きつき炎を吐く。長者が地蔵菩薩に念じると、どこからともなく無数の大蟹が現れ、鋏を振るって大蛇を寸断し娘を救った。長者は寺を建てて地蔵を安置し、蟹の霊を蟹山権現としてまつったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。

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