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腕と引き換えに得た河童の疵薬

所在地山梨県韮崎市藤井町南下條
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本伝説大系 第5巻

どんな伝承か

貧しい農夫が、毎日馬に薪を積んで町へ売りに出ていた。ある年の暮れ、正月の支度をして釜無の河原を帰る途中、馬が跳ね上がって動かなくなった。うしろを見ると十一、二ばかりの子供が尾にすがっている。退けと言っても離さないので山刀を抜いて脅すと逃げ去った。家で馬を洗うと、猿のようなものの腕が尾房を掴んだまま切れていた。夜中、子供の声がして、自分は釜無川の河童だ、腕を返してほしいと泣いて頼む。妻に諫められた馬方は、傷を接ぐ薬の処方と引き換えに腕を返した。その薬は下条の疵薬として評判となり、馬方は後に富裕になったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。

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