竜宮が膳椀を貸したよろい沼
どんな伝承か
祝い事や不祝儀で膳椀が入り用になると、人々はよろい沼へ行き、竜宮に願って借りることができた。借りたい数を紙に書き、小石を包んで沼へ沈めると、やがて水の底から膳椀が浮かび上がってきたという。ところがある時、膳を三十七借りた男が一つ足りないまま返してしまった。次に別の男が借りに行ったところ、膳椀は浮かばず、代わりに小さな蛙が一匹あらわれて、そのまま水の中へもぐっていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。