崖に仏を刻んだ安倍貞観
どんな伝承か
永徳三年、安倍貞任から十八世にあたる、あるいは宗任の九代目ともいわれる僧の安倍貞観が、大分市の白木に来たと伝えられる。貞観はこの地の崖をうがって数々の仏像を刻み、さらに貞任と宗任のために二基の石塔を建て、そのかたわらに寺を営んだ。これが竜雲寺のはじまりだという。奥州の安倍氏の血を引く僧が豊後の一角に足跡を残したという、安倍の里の由来である。
原典より
永徳(弘和)三年に安倍貞任十八世(あるいは宗任の九代目という)にあたる僧の安倍貞観が大分市白木にきて、がけをうがって諸仏像を刻み、さらに貞任、宗任のために二石塔を建て、かたわらに寺を作った。—— 日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。