水の湧く場所を教えた飴買い女
どんな伝承か
麹屋町に飴屋があった。ある晩、店を閉めようとしていると、まっさおな顔をした若く美しい女が飴を買いに来た。七日目の晩、女はいつになく元気のない姿で現れ、今夜は金がないが子がひもじがっているので恵んでほしい、代わりにどんな望みでも叶えると言った。飴屋が、水が足りず困っているのでどこを掘れば出るかと尋ねると、女はここを掘ればよいと教え、飴を握って帰っていった。あとをつけると女は寺町の寺に入り、裏手の墓地で姿を消した。和尚とともに掘り返すと、七日前に葬られた身重の女の棺の中で、赤子が飴を握って笑っていた。教えられた場所に掘ったのが、いまも残る幽霊井戸だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。