腕を斬られた河童が伝えた骨接ぎ
どんな伝承か
元禄のころ、鷹取運松庵という外科医がいた。妻は肥後浪人の娘で智勇の備わった美女だったが、ある晩、便所へ行くと怪物に尻を撫でられた。翌晩、伝来の脇差を用意して待ち構え、ついにその手を斬り落とす。その夜、運松庵の枕もとに河童が現れて手を返せと求めたが、弓弦を鳴らして追い払った。三晩目、骨接ぎの法を知っているというので手を返してやると、河童は秘法を教えて消え、翌日には礼の鱸が二尾、垣に掛けてあったという。
原典より
元禄のころ、鷹取運松庵という外科医がいた。—— 日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。