二つに語られる稚児落としの淵
どんな伝承か
那珂川町の五ヶ山と佐賀県東脊振村松隈との県境で、那珂川は内の谷に滝となって落ち、下は深い淵になる。ここを稚児落としという。筑前側の『筑前国続風土記』では、山寺の稚児のおこり病を驚かせて落とそうと淵の上の椎の大木に縛りつけたところ、誤って取り落として溺れ死んだと伝える。肥前側の古老は水争いの悲話として語る。蛤水道に水を奪われた筑前の村々がくじで選んだお万が、子を淵に捨てて堰の切り落としに挑み、見つかって果たせず滝に身を投げたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。