山頂に立っていた三重の石塔
どんな伝承か
九千部山は那珂川町と佐賀県鳥栖市の境にそびえる標高八百十五メートルの険しい山である。昔、性空上人という僧が法華経一万部の読誦を志してこの山に入り、九千部を読み終えたところでその経を山上に埋め、塔を建てたことから山の名がついたという。以前は山頂に高さ二尺ばかりの三重の石塔があったが、いまは施設が建って見当たらない。残りの千部は別所の経の隈、久留米の経の隈、下梶原の真教寺の地のいずれかで読み終えたともいわれる。石塔のあった傍らには天明二年の銘のある弁財天の石祠が立つ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。