十三の春を飴で越えた子
どんな伝承か
壱岐郡に、産神問答の型を引く話が伝わる。漁師が山の中で、お産のあった家から帰る途中らしい神々の声を耳にした。生まれた子は十三の春に川のものにとられる、と語り合っていたという。やがて十三になった子は、弁当と飴を持って川へ出かけた。河童が化けた友達と飴を分け合って食べているうちに、いつのまにか定めの時刻が過ぎてしまい、子は難を逃れて長生きしたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。