細島に十日留まった安徳天皇
どんな伝承か
安徳天皇は硫黄島へ落ちのびられる途中、日向の細島に十日あまり滞在されたという。壇ノ浦で平家一門が滅んだとき、天皇は諸将に守られて密かに戦場を脱し、南海の孤島硫黄島へ渡られたと伝えられ、硫黄島には御陵墓と平家諸将の墓と称するものが残る。細島の伝えは、その硫黄島の安徳天皇の墓の条に付された類話の一つとして記録されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。