荒武の神楽谷に響いた三夜の神楽
どんな伝承か
宮崎郡佐土原町の荒武に神楽谷と呼ばれる場所がある。文化三年の大晦日から三日三晩にわたって、たいそう見事な神楽の音が聞こえたと伝わる。慶応三年にも同じ神楽が奏されたという。村人が近づこうとすると、その音は夢のように消えてしまった。またある里人は薪を採りに入って、美しい五幣を立て、神官が大勢並んでいるのを見たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。