天へ帰る妻が残した津波除けの祭
どんな伝承か
昔、砂川の上比屋山に、テンチク・ブナザラという夫婦とサーニャという息子がいた。両親が津波で亡くなった後、サーニャは心のやさしいキサマ按司に育てられた。十六歳の頃、ンナゴザ浜で一艘の舟に乗った美しい女に出会う。女はウマニアズと名のり、竜宮の命でサーニャの妻になるために来たという。二人は夫婦となって七人の子が生まれた。ある日ウマニアズは年季が来て天に帰らねばならないと言い、津波を防ぐため毎年旧暦三月の初酉の日に海浜でウキャを差して祭りをせよと教えて去った。今のナーバィ御願はこれによる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。