三百斤の火鉢と尚巴志の力
どんな伝承か
本土から来た武士が、尚巴志の武芸の評判を聞き、手合わせを願おうと居城へ向かった。その途中、散歩していた尚巴志と行き会ったが、相手が当人とは知らず、居丈高に城への道を尋ねる。尚巴志は遠回りの道筋を教え、自分は間道を抜けて先回りし、城で待ち受けた。対面の際、尚巴志が軽々と運んできた火鉢は三百斤もあり、武士はそれを使おうとしたが、手元へ引き寄せることすらできない。恐れをなした武士は、そのまま引き返したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。