バックナーヒルに立つハンドバッグの女
どんな伝承か
終戦後の混乱期、佐敷村のバックナーヒルと呼ばれる丘のふもとの道に、夜ふけになると若い女が寂しげに立っているという噂が立った。何人もの運転手が見ており、女はいつも同じハンドバッグを提げていた。米軍キャンプに勤める仲地さんが夜に歩いて通ると、道を外れた所にそのバッグが落ちていたので持ち帰った。その夜、枕元に若い女が座り、遺骨が弔われず成仏できない、石川の叔母に骨を拾わせてほしいと告げて消えた。翌朝訪ねると叔母は実在し、バッグを見て姪の物だと泣いた。娘は従軍看護婦で逃げる途中に砲火に倒れたらしく、拾った場所を掘ると遺骨が出てきた。
原典より
彼女はいつもおなじハンドバッグをさげているのが特徴であった。—— お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、長崎の宅島夫人の霊視、和漢の古書に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。