髪を猫に食わせた美容師の最期
どんな伝承か
東京の港区、TBSの間近にある美容院について妙な噂が流れた。男の経営者が毎日、女の髪の毛を猫に食べさせているというのである。当時二十一歳の見習い助手N子は、噂より先生の行動そのものが奇妙だと語った。もう一人の助手A子が経営者の留守に部屋へ忍び込むと、段ボール箱いっぱいに長い黒髪が詰まっていた。女性の長い髪を根元から切るときに快感を覚える性癖だったらしい。まもなくこの美容院は原因不明の出火で全焼し、寝入りばなだった助手たちはかろうじて逃げ出した。同じ夜、経営者は自分のマンションで、長い髪を首いっぱいに巻きつけて死んでいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、霊視の体験、近世随筆に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。