西行が自像を残した南外山の堂跡
どんな伝承か
小牧市の南外山に西行堂跡が残っている。西行法師は、叔父の恭栄という人が住職をしていた春日井寺にしばらく滞在し、ここで高さ二尺八寸ほどの自分の木像を刻んで去って行った。村人が西行の人柄を慕って堂を建て、この木像を祀ったという。この堂は一度暴風雨に吹き倒され、像も行方知れずになったが、天明二年に俳人の内藤東甫が山田村比良の池から像を発見し、御堂を再建した。さらに文化八年、土地の俳人得芝が像を家の近くに安置し、その喜びから「たつつし」という俳書を書いた。得芝の死後、像は西春日井郡北里村の本光寺へ移されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))
『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。