松の上の鶴に救われた捨て子
どんな伝承か
昔、鶴石山は子育て山といい、円通寺という寺があった。坂上田村麻呂の後胤である浄野が山に捨てられたとき、寺の庭の松の上に巣くう鶴に救われたという。朝、赤ん坊の泣き声に驚いた和尚が里人を集め、三本の木と横手と縄で梯子を作って登り、助け出した。救った者には、三本木・横田・橋本の姓が与えられたという。十五歳になった浄野は上洛して田村麻呂に対面を求め、蝦夷なら必ず当たるという矢を射かけられたが当たらず、落胤と認められて親子の対面をしたと伝わる。
原典より
昔、鶴石山は子育て山といい、円通寺というお寺があった。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。