東小川の十二様と十二日の山の禁忌
どんな伝承か
利根川の支流片品川の流域には十二様の信仰が強く残っており、そこでは十二様は山や岩を神格化した自然神ではなく、山の暮らしを守る人文神だとされている。片品村東小川の集落の十二様は女の神で、科の木の下でお産をしたことから、女性は科皮の緒をつけた下駄を履いてはならないという。お産に立ち会ってくれる安産の神であり子育ての神でもあるが、山仕事をする者に対しては絶対の力を持ち、毎月十二日には山へ狩りに入ることを禁じる。杣人や木こりはその日に十二待をして仕事を休んだといい、炭焼きは今も簡略にした十二待を続けている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。